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角膜感染症

角膜感染症について

角膜感染症とは

角膜は、一般に「黒目」と呼ばれる目の表面のことで、コンタクトレンズをのせている場所です。「黒目」と呼ばれていますが、実際は透明な組織で、目の中の茶目(虹彩)や瞳が透けて黒く見えているのです。 角膜の病気として、角膜炎(角膜に炎症が起きた状態)や角膜潰瘍(角膜の一部が欠損した状態)などがありますが、原因として角膜感染症やアレルギー、ドライアイなどがあります。特に、角膜感染症は失明につながる病気であり、年齢・性別を問わず起こり緊急性の高い怖い病気です。

症状

主な症状として、眼の痛み・異物感、めやに、結膜の充血、視力低下、虹輪視(こうりんし)、羞明(しゅうめい)、流涙(りゅうるい)などがみられます。 角膜には、顔や頭の知覚神経の一つである三叉神経が分布しており、炎症により知覚が敏感になり非常に強い痛みや異物感をもたらします。また、光刺激に対して過敏となり、光がまぶしく痛く感じられます。角膜に浮腫(腫れ)や混濁(傷やその周りの濁り)が起こると視力低下や光のまわりに虹が見えることがあります。さらに、痛みにより反射性に涙の量が多くなることもあります。

角膜感染症は、病原性の微生物が角膜内で繁殖した状態で、原因となる微生物として、細菌・真菌(カビ)・アカントアメーバ・ヘルペスウイルスなどがあります。

(1) 細菌性角膜炎
微生物の一種である細菌により起こる感染症です。最近ではコンタクトレンズの使用者で多くみられるようになっています。コンタクトレンズの不適切な使用が原因になっていることが多く、全身や目に他の病気が無い若い人では、軽い痛みや充血があってもすぐにコンタクトレンズの使用を中止したり、眼科を受診したりしないため重症化することがあります。また、全身的な病気を持った人や体力が落ちている高齢者にも起こることがあり、注意を要します。

 

(2) 真菌性角膜炎
病原性のカビの一種である真菌による感染症です。通常は感染しませんが目に他の病気があり抵抗力が落ちていると感染することがあります。また、植物による外傷で真菌が角膜に感染症を起こすことがあります。ガーデニングや山歩き、庭の掃除などで、植物が目に触れた、ゴミが入ったなどの訴えで来院することが多くみられます。

 

(3) アカントアメーバ角膜炎

川や公園の砂、洗面所の周りなどにいる微生物です。近年アカントアメーバ角膜炎になる人の多くはコンタクトレンズの使用者です。コンタクトレンズの不適切・不衛生な使用が原因となります。

 

(4) ヘルペス性角膜炎

ヘルペスウイルスにより起こる角膜炎です。なかでも単純ヘルペスウィルスは、潜伏感染と言って三叉神経に潜んでおり、体の抵抗力が衰えた時などに、神経を伝って繰り返し角膜に病気をおこすのが特徴です。

治療

抗菌剤(抗生剤)の点眼・軟膏・内服・点滴などで治療します。また、擦過と言って病気の場所を削り取ることもあります。病気が進行すると角膜に孔(穿孔)があくことがあります。病気が落ち着いても病気のあった場所に混濁という濁りが残ることがあり、視力低下の原因になります。穿孔や混濁の程度・場所によっては角膜移植などの大きな手術が必要になることがあります。 角膜に感染症が起こる原因、きっかけがはっきりしないこともありますが、特にコンタクトレンズの使用者や植物を扱った後にしろ目が赤くなり、目やにがいつもより多く出て、痛みなどの症状がありましたら出来るだけ早めに眼科を受診してください。

● 目の病気辞典

目が赤い、かゆい
目がかわく、痛い
涙が出る
かすむ、ぼやける
ゆがんで見える 虫が飛んで見える
疲れるピントが合わない