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緑内障

視野&早期発見

緑内障は20人にひとりの病気です!

緑内障は、物を見る神経(視神経)が障害される病気です。よって緑内障になると物を見る機能が低下します。代表的な物を見る機能は視力ですが、初期の緑内障では、視力ではなく、視野(物が見える範囲)に異常が出ます。「暗点」と言う視野の一部に見えにくい箇所が出来ますが、初期には自覚することは少なく、片目にこのような暗点が出来ても両目で日常生活を送りますから、気づくことは稀です。

つまり、知らない内に視野が欠ける事が、緑内障の最も嫌な症候ですが、緑内障は現在日本の失明原因の第1位になってしまいました。その頻度は40歳以上の年齢で、5%にも上ります。また日本では、眼圧が正常範囲内である正常眼圧緑内障の割合が高いといわれています。

40歳を過ぎたら一度は視野検査を行ってみましょう。視野が正常であることが確認できれば、安心ですよね。
(精密視野検査 約15分:3割負担約2,300円)

早期発見が大切

会社検診や人間ドック、コンタクトレンズの検査や花粉症の治療を受ける際に緑内障の疑いを指摘されることもあります。視力低下や視野の欠損など自覚症状が無くても精密検査を受けることが大切です。
コンタクトレンズの検査や花粉症の治療で受診したのに、視力検査、眼圧検査、眼底検査(目の中の検査)、OCT検査をされると不信に思う方がおられますが、内科での体温や血圧の検査と似ており、思わぬ病気が見つかることがあるので、嫌がらずに検査を受けて結果を確認しておくことが大切です。

 

緑内障の症状と急性緑内障発作

一般的には、頭痛や光視症(光が見える)と言われることがありますが、これは緑内障の一部にのみ当てはまる症状であり、大半の緑内障は自覚症状が無いため、受診が遅れたり、発見が遅れたりする怖い病気です。

閉塞隅角緑内障の一部には、急性発作と言って急激に悪化するタイプがあります。中高年の女性に多いとされており、夜間から朝方に発作を起こすことがあります。

急に起こる激しい頭痛や嘔吐などが特徴で、症状から最初は脳外科や内科を受診することもあります。結膜(しろ目)が充血して赤くなっていたり、急に視力が落ちたりしたら急性発作の可能性があります。普段眼科に通院されていて、「緑内障になりやすい目です」、「緑内障のけがあります」などと言われていた方が、急に激しい頭痛や嘔吐したら、急性発作の可能性があります。

※ 注意 ※

もともと遠視等が強い人は、眼球の長さ(眼軸長)が短いために急性緑内障発作を引き起こしやすい条件を持っています。そのため、白内障が進行して水晶体が大きくならないうちに水晶体除去(白内障の手術)を勧められる場合があります。

 

緑内障の検査の注意点

「眼圧検査」(前述参照) ※注意 直接でも空気をあてて測る方法でも角膜がどれ位凹んだか(圧平)という程度によって眼圧を測定しているので、角膜の厚みが厚く頑丈な場合は、眼圧が高く測定されます。

「隅角検査」は、点眼液で麻酔をして特殊なレンズを目に当てて行う検査です。隅角が開いているか(開放隅角緑内障)、狭くなっているか(閉塞隅角緑内障)を調べます。また、新生血管(通常は無い血管)、癒着、結節(こぶ)、外傷の傷などの有無を調べることで、原発か続発かの診断の手がかりとなることもあります。
「眼底検査」は、眼球の内側を調べる検査です。特に緑内障では、眼底の中で視神経乳頭と言う物を見る神経が眼球に入る場所に「乳頭陥凹」という特徴的な変化が見られます。

人間ドックで、緑内障の疑いがあると言われる時は、眼底写真で「乳頭陥凹」が見られることが多いです。近年では、単に眼底写真を撮るだけでなく、特殊な機器で視神経乳頭を含めた眼底の状態を解析することが可能になり、緑内障診断の精度が格段に向上しました。

「視野検査」は、片目で見える範囲を調べる検査です。
目や顔を動かせば見える範囲は変化しますから、視野検査では固視と言って、一点を凝視して目を動かさないようにしながら検査を行います。緑内障の初期には、鼻側の視野が欠けたり、固視した点の上下が欠けたり特徴的な所見が見られます。

「光干渉断層計(OCT)検査」は、視神経乳頭周囲や後極部の神経線維層の厚みを計測して、緑内障に特徴的な網膜神経線維層欠損(nerve fiver layer defect:NFLD)や黄斑部網膜内層二層障害など視野変化に先んじて出現する異常をとらえる事が出来ます。

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